地酒ならぬ、地お茶があってもいいでしょ?
岡山県で丁寧に茶葉を栽培し、販売している会社 引両紋。
若くして会社を立ち上げた青山氏にお茶へのこだわりや岡山・瀬戸内への想いを語っていただきました。
―引両紋という会社について教えて下さい。
岡山県産の日本茶を製造して販売している会社です。
―引両紋のお茶のこだわりは。
こだわりというと難しいですが、「こだわりを見せない」のがこだわりです。
日本茶の味や香り、栽培や製造方法にこだわるのは当然のことで、あえてその事を表記していない。商品に対して「フワッ」とした雰囲気で伝える事に努めています。もちろんWEBサイトには詳しく書いていますが、まずは「引両紋」のお茶に興味を持ってもらう。そんなきっかけ作りを大事にしています。
―岡山の魅力について。
ご飯が美味しいこと。これに尽きます。瀬戸内は魚、県北はお肉と食材は豊富です。
岡山を発信するには「食」と「観光」とを上手く組み込むべきです。単純に地方の方が場所代や人件費は安く、同じクオリティのものを地方だと安く提供できます。そこに交通費は掛かりますが、観光と併せる事で首都圏よりもより良いサービスが生まれると思います。
―引両紋の今後の展開は。
岡山県で消費されるお茶をすべて岡山県産のお茶に変えたいと思っています。
年間一人あたりのお茶の消費量は一キロ程度です。岡山でのお茶の生産量は全国の〇.三%の約一四〇トン。岡山県の人口が一九七万人なので、県外に出さなくとも岡山県内ですべて消費出来てしまう量しかありません。
今飲んでいるお茶を岡山県産のお茶に交換してもらう。その為に地元企業とコラボしてお茶にあまり接する機会のない人へのアプローチに積極的に取り組んでいます。
しかし「交換」作業は今飲んでいるお茶と同等な価格でなければなりません。なので、商品は価格から逆算して企画しています。
―青山氏の次の野望はお茶の消費のほとんどを占めるペットボトルへのチャレンジ。物流ロスのない新鮮なお茶のペットボトルです。
「地酒ならぬ、地お茶があってもいいでしょ?」と微笑ましく語ってくださいました。
青山 雅史
Masafumi Aoyama
1987年岡山県備前市生まれ。
茶摘みをしていた祖母の影響もあり日本茶に興味を持つ。本格的に学ぶため、お茶の製造、販売の経験を得て岡山県吉永町にて「茶房 引両紋」を開店。日本庭園を眺めながら楽しむ茶房には祖父に譲り受けた備前焼の骨董、茶器から現代アートを展示しておりギャラリーとしても展開している。2011 年にはスペインで日本茶のデモンストレーションを行なう他、日本茶講座の講師としてお茶の普及にも力を注ぎ活躍の場を広げている。
OKAYAMA AWARD 2014 特別・起業賞受賞。
株式会社 引両紋
かぶしきがいしゃ ひきりょうもん